アホロートルの性格
基本的には穏やかな性格で底にじっとしているアホロートルが多いですが、中にはいろいろな性格のアホロートルもいて、元気いっぱいだったり、引っ込み思案もいれば、図々しい性格のアホロートルもいます。はしゃぎまわる性格のアホロートルですと特に夜間、底砂を掘り起こして暴れるなど大騒ぎをします。
飼育者の勘違いかもしれませんが、中には社会性の強いアホロートルもいるようで、同居する他のアホロートルを離されると食欲を失い、まるで落ち込んでいるような仕草で仲間を恋しがることもあるように見えます。他の雌雄と同居させても必ず繁殖ペアの絆が強いアホロートルもいるようです。
3匹以上の群れでは上へ上へと体を積み重ねていく行動が見られたり、複数匹が列に並んで水槽の外をじっと見ているようなことさえあります。偶然か気まぐれか、複数一緒に水槽にいるとこんなコミカルな風景を見せてくれるのもアホロートル飼育の楽しみの一つです。
アホロートルの生息地と保護
最初にメキシコに町を作った労働者たちの賃金の一部はアホロートルで支給されたという記録もあります。もちろんペットとしてではなく、食料としてや薬の原料としての支給です。現在は保護動物になっているためこのような扱いはされていないですが、すこし前までそのような目的で利用されていました。
現在は野生のアホロートルはメキシコのソチミルコ湖でしか見られません。ソチミルコ湖はメキシコシティのすぐ近くにあり、標高が高く、氷河が流れ込む淡水湖です。その周りには水路が張り巡らされています。ここにアホロートルはかつてたくさん生息していました。
「かつて」とつくのは、唯一の生息地であるソチミルコ湖の埋め立てや、昨今の環境汚染や生存競争、外来生物に食べられたり生息できる場所がどんどん減ってしまい、今では公式にワシントン条約の絶滅危惧種となり保護されています。
2008年のニュースによれば、野生のアホロートルの数はわずか25匹まで減少したという報道もされおり、サンクチュアリ(聖域)を用意するなど、保護活動の動きも活発になってきました。アホロートルを見に行くツアーも行わるなど、メキシコでもようやく保護意識に高まりを見せています。
アホロートル飼育の歴史
飼育されたアホロートルの一番古い記録は1863年にフランス人動物学者のオーギュスト・デュメリルによって捕獲された6匹と言われています。オーギュスト・デュメリルはフランス人の動物学者で、1863年に捕獲した世界初のアホロートルについて記録を残した人物です。
実は現在までに飼育されてきた全ての個体はすべてこの6匹の子孫と言われています。アホロートルは条件をしっかり揃えられれば飼育がとても簡単で繁殖もしやすく、健康なメスとオスのペアからは1回の産卵で200~300個の卵が産まれます。
デュメリルの時代から、遺伝子と再生力の2つの分野でアホロートルの研究や飼育が盛んになったと言われています。
アホロートルの能力
アホロートルに備わった驚異の能力は「再生」と「変態」ではないでしょうか。「再生」は体の部位の欠損に応じて部位を蘇らせる能力で、他の生物にも一定期間に一定の部位が蘇る能力は備わっていますが、アホロートルのように体の広い部位を再生させる能力はとても珍しいです。
また、アホロートルは条件が整うと陸上生活に適した体に変化する「変態」の能力も持っています。両生類にとってはオタマジャクシからカエルに変わるため珍しくない能力ですが、アホロートルはオタマジャクシのような幼体の状態で成体となり、繁殖も可能なのにも関わらずさらに体を変形させる能力を残しています。ただし変態はあくまで先祖の記憶であり、アホロートルは変態すると短命でいのちを維持するのが難しくなるため、変態を促さないようにしましょう。