アホロートルの飼い方

アホロートルの変態

両生類は変態すると陸上化できるけど、アホロートルは幼体のままが自然体。変態は避けよう。

アホロートルと変態

アホロートルはメキシコサラマンダーの幼生で、理論的には成体へ変態(変化)することができます。実際には、ほとんどの個体がアホロートルのまま一生を過ごし、その期間はだいたい10~16年ですが、中には20年にも及ぶこともあります。

たまに自然にサラマンダーになるアホロートルもいますが、生息環境の変化によって引き起こされた変化と考えられます。

変態の要因となりうる変化にはいろいろありますが、どれもアホロートルの生息環境と関連します。生息地の流域が干上がり始めると、明らかに命が危険にさらされるので、陸生動物へ変化するのかもしれません。生息流域の水が干上がった時の最初の影響は水中の不純物の濃度が上がることです。ですから水中にわずかに含まれる成分の急な濃度上昇は、水位がどんどん下がるのと同じで、変化の引き金となることがあるのです。

変態するには

昔はヨウ素を水に加えて(チロキシンというホルモンの産生を促して)変態を引き起こしたのですが、ペーハー(酸性またはアルカリ性の程度)の急な変化でも同様の効果が認められたという記録もあります。

変態をさせたければ「干上がった」状態がもたらす効果を再現すればいいのです。それには水槽の水位を少しずつ下げるか、あるいはヨウ素をほんの少し水に加えてから水位を少しずつ下げればできます。変態はゆっくりと進む変化のプロセスです。未熟な肺が成長し、えらが小さくなっておおいかぶさるように変形し、水から上がった時に体重を支えられるまで骨の密度が増してしっかりするのを待たなければなりません。明らかに、この変化のプロセスには数週間ほどかかりますから、アホロートルにとってはかなりのストレスになります。この成長のプロセスを促すエネルギーは自身の体です。つまり自分の脂肪と筋肉のほとんどを吸収して変化するのです。

変態した後は

無事に変態したら、ペットのアホロートルはもういません。代わりにいるのはもっと体の小さいサラマンダーです。アホロートルはメキシコサラマンダーの幼生だと考えられているにもかかわらず、変態したアホロートルはタイガーサラマンダーとの共通点の方がずっと多いです。専門家は、サラマンダーはアホロートルほど面白くなくて、飼育していても楽しくないし、長生きもしない生き物だと考えています。

自然下ではなく飼育下のアホロートルでも、条件さえ整うと変態します。かつては生き残りのために捨てた能力ですが、遺伝情報の中にはしっかり両生類としての記憶が残っています。変態した直後の姿はメキシコサラマンダーというよりはタイガーサラマンダーに近いです。

この変態は決して一瞬で終わる変化ではありません。外えらが縮んでかぶさるように変形し、皮膚が陸の生活に適応できるように変わり、骨格系が強くなるのには数週間かかります。この変態はとても珍しい出来事です。

変態というストレスの大きい仕事は個体の健康に大きく影響します。変態したアホロートルは長生きないため寿命を縮めてしまうため、サラマンダーとして生きられるのはほんの数年ですし、可愛い面影もほぼ無いのでペットとしての面白さもあまりありません。

アホロートルの再生

アホロートル(幼体)とサラマンダー(成体)は、足、脊髄、心臓、あご、尾の他目の虹彩までも再生できます。とりわけアホロートルは若いほど再生が早く、成熟すると再生は遅くなります。傷ついた部分が回復するにつれ、細胞は元の機能を回復し、芽体(「こぶ」を意味するギリシャ語のblastoが語源)という、さまざまな組織や器官へ分化する能力のある原始的な細胞のかたまりに戻ります。この細胞のかたまりから新しい足の組織が成長します。

再生は基本的には正常に行われますが、芽体はとても傷つきやすく再生された部分はたいてい元の組織とほんの少し異なります。その部分を覆う皮膚も弾力が少なくてほとんどの場合傷跡のような組織になります。再生した部位(足、外えらなど)も傷つく前とはやや異なりますが、失ったのがより早い時期なら多少の違いはあるものの機能はほぼすべて回復します。

成熟したアホロートルは若いアホロートルよりも組織の再生や傷の回復の時に元の組織と後にできた組織の不一致が起こりやすく、また治りも早くありません。傷やけがに強いのはたいてい若い個体です。

研究対象としてのアホロートル

デュメリルの時代から、遺伝子と再生力の2つの分野でアホロートルの研究が盛んになったと言われています。幼形のまま繁殖能力を持つ生き物がいることだけで十分めずらしいことですが、他の両性類にも見られるように、アホロートルにも傷ついたり失ってしまったりした体の一部を再生する能力があります。

トカゲ類は失った尾の先っぽを再生することで知られていますが、アホロートルは先っぽどころか、足、目、えら、尾を全部失っても再生でき、さらには傷ついた内臓さえも再生できます。

基本的には、アホロートルは大きくなりすぎたオタマジャクシで、一生が水中での成長期であり、それが12年~20年続きます。でも稀にメキシコサラマンダーとして「成体」へ自然に変態する(姿形、体の仕組みや生態が変わる)アホロートルもいます。

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